盲目の辻井さんが世界的ピアノコンクールで第1位という記事より。
授賞式で名を呼ばれると、辻井さんは母親のいつ子さん(49)と共に壇上へ。受け取ったカップを胸に抱き締めて観客の拍手に応えた。新曲の演奏に関する特別賞も併せて受賞した。
アメリカで開催された世界的なピアノコンクール「バン・クライバーン国際ピアノコンクール」で、全盲の日本人ピアニスト辻井伸行氏が優勝しました。
1962年の開始以来、日本人の優勝は初めてということです。
先月31日、日本人としては40年ぶりに決勝(6人)に進出し、今月4日に始まった決勝の公開演奏では、ショパンのピアノ協奏曲第1番、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番などに挑み、観客から熱狂的に迎えられた。
そばにあったピアノで急にメロディを奏ではじめたというエピソードが有名ですが、数年前に彼のことをテレビで見たことがあります。
辻井さんは東京都生まれ。生まれつきの全盲で、幼少期に音楽を始めた。現在、上野学園大(東京)に在学中。
障害は乗り越えたので一人のピアニストとして見て欲しい、というようなことをインタビューで答えていたのですが、それが本心であり本望なのでしょうね。生まれつき全盲の彼にとっては、その世界が当たり前の世界なのですから。
「聴衆も温かく、楽しい3週間でした。アメリカの聴衆が好きなので、また戻ってくるのが楽しみです」とコメントしています。
辻井伸行 – Wikipediaにすごいエピソードがありました。
生後八ヶ月の頃。それまで毎日聴かせていたショパンの「英雄ポロネーズ」のCDに傷がついてしまい、あわてて辻井いつ子は同じ曲が入ったCDを買って伸行に聴かせても、機嫌が悪いまま。 はじめは、「同じ曲なのに何で前のようにご機嫌にならないのだろう」と辻井いつ子は思ったが、ほどなくして「もしかしてピアニストがブーニンではないのが気に入らない」と気づく。再度前と同じCDを買って聴かせてみると、以前のように両足をバタバタさせてリズムをとる伸行が戻っていた。
素晴らしい快挙です。おめでとうございます!
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また、初めて人前でピアノ演奏を依頼され、弾いたのが長嶋茂雄氏の誕生日会だったという。本人はインタビューに「とてもそのことが嬉しかったです。長嶋さんもとてもいい方で優しい方でした」などと話していた。
辻井は1995年、7歳で全日本盲学生音楽コンクールで第1位入賞。10歳のとき三枝成彰スペシャルコンサートでプロオケと共演し、鮮烈なデビューを飾った。テレビでもドキュメンタリーなどで紹介され、「泣ける音色」と話題に。これまでに米カーネギーホールやロシア、チェコなどで演奏し、各地で絶賛を浴びている。