発表された「iPhone XR」「iPhone XS」「iPhone XS Max」の新しいハードウェアや機能の中で最も興味を持ったのは、この「eSIM」かもしれません。
「iPhone XR」「iPhone XS」「iPhone XS Max」は通常のSIMカードスロットだけでなく、ソフトウェアで「eSIM」を使用することができます(中国版は物理SIMが2枚使える)。
「eSIM」とは?
「iPhone XR」「iPhone XS」「iPhone XS Max」はDSDS(Dual SIM Dual Stanby)対応となりました。2枚のSIMを使用し、両方のSIMで待ち受けすることができます。
中国で販売されるiPhoneでは物理SIMを2枚挿すことができますが、日本で販売されるiPhoneではnanoSIMと「eSIM」の組み合わせとなります。
「eSIM」はリモートでiPhoneに契約者情報を書き込む技術で、対応しているキャリアの情報のみを書き込むことができます。
SIMが2枚使えることで、
・通話待ち受け
・データ通信
これらを別々のSIMに受け持たせることができます。
海外旅行によく行く人は、普段は空いているところにトラベルSIMを挿す、といった使い方も可能です。
日本での「eSIM」の対応は?
「eSIM」を利用するにはキャリアの対応が必要になります。新iPhoneのeSIM、ソフトバンクは「対応予定」 ドコモとauは?によると、
・ソフトバンクは対応予定
・ドコモは未定
・auは現時点で決まったことはない
という対応状況のようです。
MVNO2枚挿しも色々と試せて面白いと思うのですが、残念ながら「MVNOがeSIMのサービスを提供するには、まず回線の貸し出し元であるキャリアの対応が必要」である上に、MVNOに解放しないのでは、と見られているようです。
Learn about Dual SIM with your iPhone Xs or iPhone Xs Max – Apple サポートによると、QRコードまたはキャリアのアプリを入手し「eSIM」の設定を行うようです。
「eSIM」はソフトウェアアップデートにより年内に利用できるようになります。
「eSIM」は必要か?
対応を表明しているのはソフトバンクのみのため、現時点でソフトバンク回線でiPhoneを利用している人のみが「eSIM」の恩恵を受けられる可能性があります。
ただ、それでも「eSIM」のために「iPhone XS」「iPhone XS Max」を購入する人というのは少数派かもしれません。
色々とSIMを試せるとなれば面白いと思ったのですが、現実はそうはうまくいかないようです。
と思ったら、IIJが「eSIM」対応を検討しており、データ通信を安くできるといった可能性があるようです。
■iPhoneをチェック:ドコモ/au/ソフトバンク/Apple公式サイト
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▼新iPhoneのDSDS対応に想うこと 香港版「iPhone XS Max」を買うべきか(石川温) – Engadget 日本版
結局のところ、「日本版で速度をとるか、香港版で2枚のSIMをとるか」で悩むことになっている。昨年発売されたiPhone 8では、香港版においてもApple PayでSuicaが使えることをEngadgetの記事で確認済み。