■観戦記
今日はあまりにも気持ちいい勝利だったので(5-1だぜ!!)、試合終了直後から近所のスポーツパブに入り浸ってしまいました。大抵のサポーターは浦和駅西口に流れますので、東口のこの店は穴場。静かに興奮しつつ、もう一度大画面でVTRを見てきました。もちろんギネスを飲みつつ。
今日の試合はスコアからも分かる通り、圧倒的にレッズのペースで進みました。特に試合開始直後は「これがレッズか!?」と思わせる程のレッズペース。どんなこぼれ球も確実に拾い、シュートまで繋げていくその姿に涙した人も多いのではないでしょうか。優勝により得た自信は、相当のものだと思いました。これを何回も重ねているジュビロやアントラーズが、そう簡単に崩れなずに自分たちのページで試合を運べることに納得がいきました。
後半の出だしにヴェルディにペースを奪われるものの、1失点で凌ぎ切れたのは良かったと思います。さらに言えば、2点リードしているところから1失点し、そこからバタバタせずに追加点を重ねられたのは成長でしょう。ハーフタイム直後にペースを掴みきれなかったのは、そういう時間帯が必ず訪れるものとは言え、失点まで至ってしまったのは少し残念でした。
得点者はエメルソン、山瀬、田中そして平川。4点目まではナビスコ杯と全く同じメンバーでした。トラップせずに決めた山瀬もうまかったし、角度のないところから決めた田中とエメルソンも絶好調だと感じました。特筆すべきはリーグ戦初得点の平川でしょう。ドリブルで持ち込み、DFを交わしつつ、いつもだったらセンタリングになるところを自分でペナルティエリアに突進しシュート。しかも左足! ボールはきれいにゴールに吸い込まれていきました。得点差があったからシュートまで持ち込んだのかもしれませんが、これで「やれる」ということを実証したと思います。
本当に良い試合でしたが、残念なことも何点か。まずはニキの怪我です。エムボマをしっかりとマークしていましたが、カットの際に足を出し、左太腿裏側を負傷したようです。肉離れでしょうか? 幸い担架で運ばれることなく自分で歩いていましたので、そんなに大きな怪我ではないと思いますが、心配です。室井も怪我をしているだけに、代わりの選手が内舘だけというのは心もとないところ。あとはエメルソンのイエローカード。これで次節は出場ができません。せっかくナビスコ決勝、今日の試合と立て続けに得点を取ってきていただけに、残念でなりません。このペースでいけば、得点王も狙えたかもしれないのに。
しかし、残り15分くらい出場した永井にも復調の兆しが見えましたし、エメルソンがいなくなってからの得点もあったので、ゆっくり休んでもらうということで、それほど悲観的になる必要はないかもしれません。今日の永井はボールに対する執念が感じられました。ポストプレーを心がけているようにも見えたし、ゴールまでもう少しでしょうね。今日も惜しいヘディングシュートもありましたから。これを乗り越えれば、また一皮むける気がします。
ところで。
人事のことに、あまり口を挟みたくはないのですが、頭では理解したつもりでもこれだけ好調なチームを見ていると一言、言いたくなります。「見ていて楽しい試合を」という犬養社長は、2ヶ月くらい前から新しい監督について考えていたということですが、確かにそれくらいまでのレッズの試合は、決して楽しいものではなかったと思います。しかし、今はどうでしょうか? 見ていて楽しくないですか? つまらない試合をしていますか? 何より「勝利」が、チームにとってもサポーターにとっても一番だと思うんです。勝った上に内容まで求めるのは、今のレッズには難しいと思います。内容までが伴うのは来期の課題でしょう。
2ヶ月前の時点では、チームがこのようになることは予想できなかったでしょう。しかし、サポーターは信じてついてきました。耐えてきました。早くからチームのことを考えていてくれた犬養社長には尊敬の念が絶えません。しかし、です。しかしチームは変わったんです。ナビスコでタイトルを取り、今まさにリーグ戦で優勝争いをしている。何が不満がありますか? 選手たちだってオフト監督を信用している。来期から変えなくてはならないことはあるでしょうか?
犬養社長は、あのタイミングで辞任を発表したオフト監督について腹を立てているかもしれない。しかし、プロフェッショナルな監督に対して礼を失したことも事実でないかと思います。本当にレッズの成長を願うならば、新しい監督を連れてくるのではなく、オフトと話し合いを持ち、来期もオフトに任せるべきです。腹を割って話し合うべきです。オフト監督はサッカーマガジンにこのような手記を寄せました。
「レッズが10年前に戻りたいならば戻ればいい。しかし、私抜きで」
この言葉は、核心をついていると思います。今は、間違いなく監督を変えるべきタイミングではないでしょう。しなければならないのは、選手の補強です。オフトは手記で「各ラインに一人ずつ選手が足りない」としています。その通りです。選手は育ちつつありますが、オフトが手記で書くように本当の意味で主力になるには「あと2年は必要」です。レッズは「平均年齢24歳そこそこ」の若いチームなんですから。これほどまでにレッズのことを知り尽くした監督が、そして優勝まで導いてくれた監督が、なぜチームを去らなければならないのでしょうか?
レッズで実績を積んだオフトを、監督に迎えたいチームはたくさんあるはずです。
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「やる気は十分に感じたが、過敏になりすぎている」とオフト監督は心配したが、空回りせず立ち上がりから自分たちの形で攻めた。相手のパスをカットし、素早く縦へ運んでシュートまで持っていった。
注目の上位対決は、浦和が5-1で前節首位の東京Vに圧勝し、勝ち点を22に伸ばして暫定首位に浮上した。
J1第2ステージ第12節第1日(8日 さいたま市駒場スタジアムほか=6試合)注目の上位対決は、浦和が5―1で前節首位の東京Vに圧勝し、勝ち点を22に伸ばして暫定首位に浮上した。
この試合でのレッズの成果(特に攻撃)ですが、その背景を、ヴェルディーのディフェンスが低級だったからとするのか、レッズのサッカーが一段階発展したからとするのが正解なのか・・。まあ結論は、その両方ということですが、私の目には、ヴェルディー守備のいい加減さばかりが目についていたから、割合では、確実に「前者」ですかネ。
エメルソン、田中の快足2トップを擁する攻撃陣ばかりが目につくが、今の浦和を支えるのはカウンター攻撃を生む強固な守備だ。ゴール前で何もできなかったエムボマは「内舘にやられた」。
次節からエメルソンが、今ステージ2度目の警告累積3枚で2試合出場停止。ニキフォロフも今季の残り試合の出場が微妙になった。しかも2週連続アウエーが続くピンチにも、「今日みたいなアクシデントにも対応できる。それほど心配してません」と山瀬。勢いは止まらなかった。
A代表に向けて田中は「Jで何も考えずにやっていきたい。レッズで結果を残したい。それをやることだけを考えていきたい」と冷静沈着だが、A代表の先輩でもある山田は「スペースに走ってくれたんでよかった。(A代表に)入ってもおかしくないパフォーマンスをしている。代表でも問題ない」と太鼓判。