オフト風にいえば、前半は寝ていた。オシム風にいえば、水を運ぶ選手がいなかった。
短い間隔での試合のためか、序盤から足の止まる選手たち。パスの出しどころがなくなり、バックパスして前線に精度の悪いフィードをする悪循環。
案の定、先制されそれを追いかけるという悪いけれど“らしい”展開に。
結果的には4-2という、見ていれば打ち合いという楽しい試合にはなりましたが、それでも序盤のような、
・プレスをかけない
・動かない
という状況はなんとかしないといけない。
ゲルトの指示だと思いますが、後半はエジミウソンが頻繁に中盤に戻る姿が見られ、そこからリズムができたような気がします。
高原も気合いの入ったプレイでアシスト。阿部も気持ちの入ったプレイを見せてくれた気がします。
などなど考えていると、どうも浦和レッズに移籍してきた選手たちは、非常に危機感を持ってプレイしている気がするのですね。
前線でボールがキープされないと両サイドの選手が上がりにくいというのも分かるのですが、もう少し山田や平川にはリスクをとってチャレンジして欲しい気もします。
気がつけば闘莉王が得点王争いに顔を出し、そしてチームは首位に。
ポンテ、アレックス、田中達也の復帰も待ち遠しい。
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この日も2人のDFにはさまれた。だが、相手GKがロングボールに飛び出してこないと察知すると、キッカーの梅崎に「速いボールじゃなくて、弱いボールでもいいから競れるボールをくれ!」と要求。高いボールであれば勝てる自信があった。
試合前、愛弟子と慕う相棒・細貝に告げた。「オレが残ったら絶対に上がれ」と。作戦は成功。従来は横に並んでいた2人が縦の関係を築き、好機を量産した。細貝は「闘莉王さんはサッカーに本当に細かい。プレーしていない時のマークの付き方まで教えてくれる」と感心しきりだった。
後半41分、前線で相手DFからボールを奪い、フリーのFWエジミウソンに絶好のパス。「スピードを殺さないように、少し前めに出してあげた」。プレーにも余裕が出てきて、ダメ押し点を導いた。
観戦に訪れた夫人と長女から「ゴールを決めなさい」と要求されていただけに「これでプレッシャーがなくなる」とおどけた。
「オレの近くにいれば何とかなる!」セットプレー時にどなりつけてくる後輩に対し、「闘莉王はどんなときも絶対に競り勝つと思っている」とドイツで5年間もまれた猛者も全幅の信頼を寄せる。
「前にいく気持ちが強すぎて裏を取られることもあるけど、やっぱり一番大事なのは気持ち。前に行くんだという気持ちがオレを動かしている」と誰よりも強い闘争本能で、ゴールを狙い続ける。