不謹慎にも、試合開始直後は負けるのではないかと思っていた。優勝をかけた鹿島とは、モチベーションに大きな違いがあるように思えたからだ。案の定、5万人をこえるサポーターを前に、あっけなく先制を許す。しかも得点者は一番気をつけなくてはならない小笠原だった。追加点を許し、雨はさらに冷たく感じられた。
前半終了時に、磐田先制の報が入る。このままならば、磐田の優勝が決まる。
後半15分、オフトは賭けに出る。山瀬を下げ永井を投入し3トップに。永井にとっても正念場だった。二試合連続でゴールを決めているとはいえ、どちらの試合も負けている。
試合もあと15分というところで、3戦連続の結果を残した。後半、浦和のペースで試合を運べていただけに、良いところで点を決められた。そして、ドラマはロスタイムへと続く。
磐田が横浜に逆転負けを喫していたため、鹿島は残り2分を守りきれば自力で優勝を掴み取れるところにいた。しかし、永井のセンタリングが、それを打ち砕く。ニアサイドに飛び込んだエメルソンが頭でゴールに流し込む。見送るゴールキーパー。崩れる鹿島の選手たち。
ナビスコ杯に続き、鹿島を止める結果となったレッズ。結果的には、リーグを制するには、まだ足りないものがあるということだろう。試合終了後、スタジアムにはオフトコールが響いていた。2003シーズンは、終わった。