ネタフルが、2018年7月1日に15周年を迎えました(2003年7月1日スタート)。これもひとえに読んで下さる読者のみなさま、広告などで支えて下さるたくさんのスポンサー企業、困った時に相談に乗ってくれる友人、そして何より家族の協力があってこそです。健康でブログを書き続けることができた15年に感謝します。
ブログを書いて生きるとは?
もともとインターネットとの関わりは1995年に知人とISPを立ち上げたことでした。今で言うならベンチャー企業の立ち上げかもしれません。
すぐに自宅で自分のMacでウェブサーバーを立ち上げ、HTMLを書いてウェブサイトを作り、日刊で更新するMacの情報サイトを立ち上げました。
ISPから派生した仕事の中でメールマガジンの執筆代行があり、ノウハウがたまったので、自分でも日刊のメールマガジンも発刊することにしました。最盛期には1万数千人の読者もいましたが、これをビジネスとして軌道に乗せることはできませんでした。
仕事でもないのに日刊でウェブサイトを更新したり、メールマガジンを発刊していたのは、そもそも表現して見てもらうことが好きだったからです。高校時代からバンド活動をしていたものの、大学卒業と共にほぼ空中分解してしまい、曲を作るという衝動が向かったのがインターネットでの情報発信でした。
もともとお金のために始めたことではなかったのと、表現することが好きだったということが、ウェブサイト、メールマガジン、黎明期のブログと、全く儲かりもしないのに継続できた最大の要因だったのではないかと思います。
2002年夏にメールマガジンのネタをオンラインで蓄積するための仕組みとして、CMS(コンテンツマネジメントシステム)というものがあることを知ります。これを調べていく中で知ったのがMovable Typeでした。
2003年にウェブ制作会社の仕事の一環としてiMacにMovable Typeをインストールして実験したところ、SEOにも効果的だということに気づきました。また、記事ひとつひとつを適宜更新するというスタイルも自分に向いていると感じました。
そこで2003年7月1日より本格的に開始したのが、ブログ版の「ネタフル」です。好きなタイミングで好きなように更新できるブログは本当に楽しかったです。
最初は「ブログに広告を入れるなんて!」という人もありましたが、徐々にアフィリエイトやアマゾンアソシエイトなどを入れる実験をしました。世界線が変わってしまうような出来事は、2004年にGoogle AdSenseが始まったことでしょう。
アメリカで「現金製造機」と呼ばれたGoogle AdSenseにより、ブログの世界は一変しました。
当時は子供が小さかったことから、早起きして書き、ランチを早く食べて書き、子供かず寝てから書き、というような生活を何年も送っていました。この頃は呑みにも行かなかったですし、本当にブログだけ書くような生活をしていました。
2003年からまる3年が経過した頃にはブログからの収入が給料をこえ、ブログブームもあったことから、今しかないと思い会社を辞めてブロガーとして独立しました。2006年8月のことです。
そこから約12年、ブログを書いて生活しています。
昨今はブロガーが主催するサロンだったり、ブロガーが執筆する情報商材も話題になりますが、個人的には主にブログを書くことから得られる広告収入で生活することが「ブログで生きる」というスタンスです。
プロブロガー本を書いたことでブロガーが増え、結果的にブログで生活する人も増えました。ただ、ブログで生活するようになった人たちをウォッチしていると、どうもブログで生活するための決定的なノウハウの再現性はないのでは、と感じています。
どんな仕事でもそうかもしれませんが、特にブログの場合は属人性が強く、ブログを書き始める前の仕事の経験であったり、その人なりの表現力であったりなど、個人の経験、キャラクターに依存するところが非常に大きいようです。
ブログは演歌の世界
属人性の強いブログは、ブロガー自身がタレント化する場合も少なくありません。実名、顔出し。実名でないにしてもセルフィーで顔出しをして表に出てくるというケースも多々あります。
15年間、ブログを続けてきた経験からすると、自身をタレント化する戦略というのはかなりタフではないと継続できないのではないかと思います。
常に新しいことをインプットし続け、読者がメリットを感じられる情報を発信し続けないとすぐに陳腐化する世界ですし、特に顔出しをしていると印象が強い分だけ「あの人は今」になりやすいのです。
ネタフルも含めてそうですが、数年前に界隈で話題になって今でも話題になり続けているブログがいくつあるでしょうか。1年、2年、3年と読み続けているブログがいくつあるでしょうか?
自分が年を取れば書く話題も年を取ります。属人性が高いブログゆえのことです。若い人は積極的に情報摂取しますが、年を取れば受け身になる人が増えます。読者は減ります。なかなか若い時のブログの勢いを維持していくのは難しくなります。
そんな状況を、個人的にはブログは演歌の世界だと感じています。読者と一緒に時を重ねていく世界です。でもこれは寂しいことではなく、むしろゆるやかに時間が続く幸せなことだとも感じます。どこの誰かも知らない人と、ゆるやかに繋がり続けていくなんて素敵なことだと思いませんか?
「ブログを書いて生活したい」と思う人は、10年、20年後のブログを書いている自分を想像してみてください。今と同じように情熱を持ってブログを書いているでしょうか? どんなことを書いているでしょうか?
ブログを諦めて他の仕事をしている、ブログの経験を活かして他の仕事をしているということは十分にあると思います。ただ気をつけて欲しいのは、短絡的に自由を求め仕事を辞め、目先のブログに飛びつくことです。
繰り返し書いていますが、ブログは属人的です。どんな経験もブログのネタになります。決して、ブログの奴隷にはならないよう気をつけてください。
ネタフル的ブログ生存戦略
ネタフルを書き始めた頃から気をつけていることが4つあります。
ネガティブなことは書かない
ブログで生活していこうと思うなら、ネガティブなことを書くのは百害あって一利なしだと思っています。「デジタルタトゥー」という言い回しも一般的になってきましたが、インターネットでは炎上も全て記録されます。
やむを得ず炎上ということはあるかもしれませんが、自分から燃やす必要は一切ありません。放火はやめましょう。もっと良いことで注目を集めましょう。
特に実名顔出しでブログを書くなら、絶対にネガティブなことは書かないほうが良いと思います。この先、新しい人と出会うと名前を検索するという人も増えるでしょうし、画像検索も進化すれば顔写真で一発で分かるようになり、炎上は一生ついてまわります。
楽しんで書く
自分が楽しいことは、読んでいる人にも伝わります。今でこそハイボールはどこでも呑めますが、10年前には居酒屋で探すのも難しかったましてやコンビニにはハイボール缶がなかったなんて信じられますか?
これは個人的な経験ですが、2008年3月にサントリー主催の白州蒸留所の見学ツアーに参加しました。その時に試飲したハイボールが超超超超超超美味しくて「すごいハイボールの作り方」という記事を書き、その後は率先してハイボールの飲める居酒屋を探したり、ウイスキーとソーダを注文してハイボールを作って呑のんで貰ったり、そして何よりとにかくたくさんのハイボールの記事を書きました。
きっと自分で楽しんでいることが読んでいる人にも伝わったのだと思いますが、ハイボールに注目してくれる人も増え、サントリーとハイボールナイトをコラボさせて頂き、秋には小雪のテレビCMが始まり、ウイスキーの原酒が足りなくなるほどハイボールは大ブレイクしました。
10年前には珍しかったハイボールが今では当たり前になったきっかけの1つとして、ブロガーたちの記事も影響していたのでは‥‥と思います。
ちなみにハイボールカテゴリーがありますので、どれだけ勝手に楽しんでいたかご覧ください。
振り返る
ウェブ制作会社にいた経験があるので、アクセス解析の重要性は理解していました。そのため当初からブログにアクセス解析は導入していましたし、現在はGoogle Analyticsを利用しています。
どんな記事が読まれたか、どんな検索キーワードが使われているのか‥‥今ではGoogleのサーチコンソールも大活躍していますが、とにかくブログの健康診断をするのは大切なことです。
ただ、これに関しても「え、こんな記事が読まれているんだ」と、思いもよらない記事が読まれていることに感動したり、過去の記事がテレビの影響でアクセスアップして「こんなことも書いていたな」と懐かしんだり、実利だけではなく「楽しい」に通じる部分もあります。
ルールをつくる
ブログを書き始めた当初は「早起きしてブログを書く」というのが、自分の中でのルールになっていました。
とはいっても、できない早起きを無理してやっていたわけではなく、ルーティンワークとしてやっていたまでです。それを「ルール」として自分の中で明文化していました。
ルールに関してはなんでも良いと思います。「飲食店の記事を1週間に1 本は書く」とか「書評を週一で書く」とか。ただ、できるだけ毎日あるルールの方が習慣化はしやすいと思います。
ネタフルメソッド
お気づきの方はほとんどいないと思いますか‥‥
「ネ」ガティブなことは書かない
「タ」のしんで書く
「フ」り返る
「ル」ールをつくる
という、ネタフルメソッドという名のあいうえお作文になっています。
基本的には、これだけ気をつけてきた15年でした。ブログを書く上での、自分の中の大事な指針です。これからも大切にしていこうと思います。
これからの15年に向けて
とまあ、ネガティブなことは書かないと言いつつ、あんまりうっかりブログで食べていくみたいなことに飛び込まない方が良いのでは‥‥という思いもあり、15年の経験を踏まえ、色々と書いてみました。
本気で「書くこと」が好きで「ウェブのノウハウもある」のであれば、それは良いと思います。難しいのは書くことが好きなだけではダメで、書き続けていればなんとかなることはない、というところなんですよね。そこがスタート地点ではあるのですが。
若いければやり直しができるじゃん! という話もありますが、デジタルタトゥーという問題もあったりしてですね‥‥。ま、好きにやったらいいと思いますけどね! こんな45歳になりたくないなー、でもいいですし。
30歳でブログを書きはじめて、気づいたら45歳です。特に45歳を過ぎてからは、肉体的にも精神的にも衰えを感じるようになりました。「まだ45歳なんだから」とも言われますが、実際に感じるんだから仕方ありません。
ブログを書いていても集中力が続かなくなったと自分でも分かりますし、夕方が近付いてくるとヘトヘトです。けっこう体力勝負なんですよね。
でも大きなトラブルなく、健康でブログを書き続けてくることができた15年なので、これからの15年も同じようにブログを書き続けられたら良いな、と思っています。淡々と。ただただ、淡々と。
15年経ったら60歳かー。30歳の時に45歳のブロガーはなんとなくイメージできたけど、60歳はなかなか難しいな‥‥。
あ、ちなみにただいま自分で書いた記事数は49,964記事です。この記事を50,000記事目にしたくてラストスパートを頑張っていたのですが、辿り着けませんでした。
15年で約50,000記事って感じで、シクヨロ!
それでは最後まで読んで下さったみなさま、引き続き「ネタフル」をよろしくお願いします!!
Keep on blogging.
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