ネットでモノを書く時の話。似たような観点から、興味深いものが2つあったのでご紹介です。一つ目はコスメレビューは「語彙力がない」ほうが良い。コスメアプリで「評論より感動」を重視する20代女子の話と、可愛くないアイコンは「まとめる」の隠された意味。という記事。
メイクアプリ「LIPS」をよく使っている、スマホユーザー(22歳 女性 ※前回のTikTokと同じ人)に聞いた話をまとめました。
20台前半の女性に聞いた話なので、これは全年代の誰しもに拡張するつもりは毛頭ないのですが、なかなか興味深いと思ったのが「無駄に語彙力がなくって、文章が下手くそだから。逆にそれがわかりやすい。笑」という部分。
読み手にあわせた書き方というのはあると思いますが、難しく書かずに平易ではなく「無駄に語彙力がなく」というのは、これまでにない発想でした。「絵文字とかで気持ちが伝わったほうがいい」と。
これに対してアットコスメに対するコメントもあるのですが「ちゃんとしてる文章が多い。でも、それって長すぎてどこが結論かよくわかんない。パッと読んだときにわからない」ということなんですね。
いま、Googleが評価する文章というのは長文という要素が一つあると思いますが、もしかするとこの評価には若者不在となってしまう可能性があるのかな、とも思いました。長文でも平易に書くことはできますが、それでも写真が多くて、パッと見て判断できるものに勝てないのかもしれない、と。
少し前に、南山大学でソーシャルメディア利用について聞いたらブログを書いている学生が0だったという記事も書きました。ブログを書いている人が一人もいないというのもなかなかショッキングだったのですが、この時に感じたのは、近いうちにGoogleを使わない未来がやってくるのではないか、とも感じたのです。
今回のコスメアプリもそうですが、User Genarated Contentsもアプリ内に閉じていく、さらには内容も「無駄に語彙力がなくって、文章が下手くそだから。逆にそれがわかりやすい。笑」という世界。TwitterやInstagramもその兆候ですよね。兆候というか、もはやそういう世界になっています。
先日、氷見の寒ブリの写真をInstagramに投稿していたところ、恐らくハッシュタグで検索していた人だと思うのですが「これって富山のどこのお店でたべられますか??現在富山にいて、いきたいのですが、教えていただきたいです!」とコメントが入ったのです。
ここ数ヶ月、熱心にInstagramも更新しているのですが、こうした体験は初めてだったので、実感値として「Instagramが飲食店の検索に使われている」ということを理解することができました。
そしてもう一つの話。iPhoneの底面にある穴をなんと呼びますか?という記事です。やはり名古屋を訪れた時にDANBO@MACお宝鑑定団と話した内容で、それが記事化されたものです。
iPhoneの底面中央にある穴をなんと呼びますか?と聞かれたら、このMediumを読む人なら「Lightningコネクタ」と答えると思いますが、実は、一般的には「電源コネクタ」もしくは「充電コネクタ」と呼ばれています。
正式名称は「Lightningコネクタ」なんだけど、もうそんな風に呼ぶ人は少数なんですよ、という話です。Apple正規プロバイダでも「電源コネクタ」もしくは「充電コネクタ」と呼ぶよう指導されているのだそうです。
似たようなところで「液晶保護フィルム」もそうです。iPhone XのディスプレイはOLEDだから液晶ではない、だから正しくは「液晶保護フィルム」ではないのではないか‥‥。
正しく書くということも大事なのですが、もはやそれでは通じないのであれば、通称を使った方が読者にとって優しいのかな、とも思います。社会全体から語彙力が失われることはないと思いますが、たくさんの人に読んで欲しいということを考えた場合に、より難しくない文章を書いていくということも、頭の片隅に置いておくべきと改めて実感した2017年の年の瀬でした。