Appleがいつか来た道というコラムがありました。
そのことが嬉しいと同時に、大きな不安も感じている。「携帯オーディオメーカーに形を変えて」の成功では、また“いつか来た道”のように終わりを迎えてしまうのではないかという不安だ。
20年来のAppleファンが、iPodがMacintoshと同じ道を辿るのではないかと危惧しているコラム。
Mac OSがライセンスされなかかったために、当時はWindowsに対して有利な立場にあったのに、Appleがニッチなメーカーとなってしまったのは、確かに事実だと思います。
しかし、OSをライセンスしていたら、今のAppleがなかったのもまた事実。様々なハードウェアの差異を吸収することに注意が払われ、もしかするとiTunesやiPhotoなど、AppleをAppleたらしめるアプケーションは登場しなかったかもしれません。iPodすらなかったのかも。
そう考えると、かたくなにハードウェアを守り続けてきたことは、Mac OS Xをリリースし、再びWindowsをリードしている今となっては良かったのかな、とも思います。
そして、iPodでも似たような状況が起こるのではないかと危惧しているのがこのコラムです。この場合、Windowsではなく携帯電話がライバルになるのではないか、としています。
今のデキの悪い携帯電話用の音楽ジュークボックスが、結局iPodよりもメジャーになってしまわないか、というのが一つ目の不安。そしてもう一つの不安は、その携帯用の音楽ジュークボックスを供給するIT企業が、いつの間にかNTTドコモやauよりもパワーのある音楽ポータルを支配する企業になってしまうのではないか、というもの。
OSの時と違うのは、既にAppleが大きなシェアを獲得していることですね。これは大きいと思います。
そしてiPodが強いのは、iTunesがあるからでしょう。CDからのリッピング、ダウンロード販売、そしてPodcastingに動画配信まで対応してきました。
iPodの存在が脅かされるか否かは、iTunesに対抗しうるソフトウェアが現れるか? というところにあるのではないかと思います。
ただ単に携帯電話で音楽が聴ける、動画が見られるというレベルでは追いつけないと思うのですよね。“サービス”として使いたい、使い続けたいと思えるようなものでないと。サービス提供者は、Appleを超えるエポックメイキングなことも提供し続けて行く必要もある訳です。
Appleにとっての最大のリスクは、競合する企業でも素晴らしいサービスでもなく、Jobsがいなくなることでしょう。