東京都のPR事業「tokyo reporter 島旅 & 山旅」のレポーターとして式根島を旅してきました。今回の旅程は3泊3日(船中泊含む)。船で早朝に到着、一泊した新島の次は式根島です。式根島は海が見える温泉‥‥というか、海沿いだったりほとんど海の中にある海中温泉が楽しみの1つです!(温泉は4つも!)
新島から式根島へは、東海汽船の船で移動しました。15分ほど、あっという間の船旅です。東海汽船はジェット船が540円、11時30分に出発して11時45分には到着する近さです。新島から式根島に渡るには連絡船「にしき」もあり、朝に出発して夕方に戻る便がありますので、日帰りも可能です(大人の往復が840円)。
交通手段:【大型船】新島&式根島の行き方・帰り方(2等船室と特2等船室)【高速船】、新島:ドラクエ感たっぷりの新島紀行という記事からの続きになります。
式根島の宿泊は「漁師宿 かねやま」
式根島での宿は「漁師宿 かねやま」です。
漁師宿と聞いただけで、期待が高まります。だって、漁師さんが獲ってきた魚介類がきっとそのまま料理に出てくるわけじゃありませんか!?
軒先には翌日の朝食でしょうか、魚が干してありました。
宿の入口には自動販売機があり、清涼飲料水やアルコール類も販売されています。徒歩圏内に商店もあります。
チェックイン、チェックアウト共に9時です。夕食は18時、朝食は7時です。
到着した際には港まで迎えに来て貰えますし、帰りも港まで送って貰えます。ぼくはレンタカーを借りたので、帰りはレンタカーを返却し、そのままレンタカー屋のおじさんに港まで送ってもらいました。
釣り客も多いのでしょう、満潮や干潮、天気の情報もあります。
部屋は伝統的な和室です。東京都内ですから、テレビも普通に東京と同じチャンネルが視聴できました。部屋がやや奥まっていて携帯電話の電波が届きにくかったので、無料WiFiがありがたかったです。
宿泊料金は季節によって変動しますが、今回は大人1名で8,500円でした。料理もボリュームがあって豪華ですし、採れたて海の幸が食べられお得だと思いました。
まずは夕食をご紹介します。
夕食には伊勢海老が!
メニューはメジナのカルパッチョ、アカハタの煮付け、伊勢海老のマヨネーズ焼き、手羽先の唐揚げ、ウサバのお刺身、シッタカ貝のお吸い物、です。
島で食べる海の幸、鮮度抜群で最高です。こんなにたっぷりのプリプリ伊勢海老。
煮付けも美味い。ご飯は自分でよそるので、お代わりも自由。3杯くらいお代わりしてしまいました。
続いて朝食をご紹介します。
アジの開きに味噌汁、日本の朝ごはんですね。アジの開きは、昨日、庭に干してあったものかな?
アメニティに関しては、タオルや浴衣は繁忙期の貸出がありませんので注意です。また、釣った魚の調理も現在は行っていないとのことです。
夏は家族連れが磯遊びに新島から渡る姿もよく見かけますが、オールシーズン通じて式根島で人気のアクティビティは釣りなのでしょうね。
ランチは「サンバレー」
式根島でランチが食べられるような店は数軒あるのですが、訪れたのがシーズンオフだったため、全てが開いているわけではありませんでした。そんな中、初日のランチを食べに訪れたのが「サンバレー」です。
観光地価格ではなく、地元の方も通う喫茶店といった感じでしょうか。夜は居酒屋的にもなっているのだと思います。
注文したのは餃子とねぎとり(ミソ)です。
「ねぎとりってなんだ?」と思ったら、こんなラーメンでした。
ネギチャーシュー鳥版という感じですね! ボリュームたっぷりで温まりました。
腹ごしらえ、完了!
松が下雅湯(温泉)
式根島といえば、温泉です。お腹がいっぱいになったら、温泉巡りです。まず最初に訪れたのが「松が下雅湯」です。
宿などで貰える地図を片手にクルマで行けばほとんど道に迷うとこはないと思うのですが、入口だけ少し分かりにくいのです。
間違えて港の方に行ってしまう人も少なくないのでしょう、手書きの「温泉入口」という案内があります。ここを曲がりましょう。
クルマを停めたら、海の方へ歩いていきます。
トンネルをくぐります。
まず最初の温泉が「松が下雅湯」です。
男女別の着替えスペースがありますので、こちらで水着に着替えます。24時間入浴が可能で、無料です。
水着にならなくても、足湯があります。
ここも足湯スペースです。
温泉その一。
温泉その二。
港に停泊する船を眺めながら、のんびりと温泉を楽しみます。
泉質は、後から訪れる「地鉈温泉」とおなじ硫化鉄泉で、その泉質を気軽に楽しめるように作られたのが「松が下雅湯」なのです。ちなみに「地鉈温泉」は熱すぎて入れなかったんですよ‥‥。
足付温泉
「松が下雅湯」から歩いて移動できるのが「足付温泉」です。
「足付温泉」も水着着用なので、そのまま歩いて行っても良いかも。冬でもホカホカで寒くありませんでした。水着で移動するので、荷物はコンパクトにまとめられるようにしておくと便利です。
「足付温泉」は200年前から湯治で利用されていたようです。温泉は磯浜から湧き出し、干潮時には50度以上にもなるそうです。
これが「足付温泉」です。え、どこ!?
ここです!
完全に浜辺の温泉です。
入れるところはいくつかあるのですが、ぬるめの湯でした。長くゆっくりと入るのにはちょうど良さそうです。
足元から泡と共に温泉が湧き出しています。式根島では唯一の、無色透明な温泉です。泉質は炭酸泉で、切り傷、おでき、水虫、アトピー皮膚炎に効能があるとのことです。
すぐ近くに、キレイな更衣室もありました。
湯加減の穴
「足付温泉」から「地鉈温泉」に向かう途中に見かけたのが「湯加減の穴」です。
こ、これは!?
穴に手を入れると、温かい!
途中で温泉の源泉と繋がっているので、温かい空気が流れ出てくるそうです。温泉の島なんですねぇ、式根島。
地鉈温泉
式根島で訪れた3つ目の温泉が「地鉈温泉」です。東京都の温泉の中でも、最もワイルドな温泉の1つとして数えて良いでしょう。
大地を鉈で割ったようなところにある温泉だから「地鉈温泉」です。干潮時には80度を越えるほどに高温になります。
いろいろと注意書きがありますが、ワイルドなので大事なことなのです。
下にはトイレがありません。水着着用ですが更衣室はないので、上にあるトイレを利用するのが良さそうです。湯壷は滑りやすいです。干潮時には高温になるので注意が必要です。
とまあ、階段の入口に色々と注意書きがあります。
けっこう階段を降りていくので、体力に自信のない人はここで戻る勇気も必要です。
ワイルドだろ〜!
これが鉈で地面を割った景色か〜!
落石注意です。いま地震があったらどうしよう‥‥なんて、少し怖くなりました。
谷間を抜けていきます。
これが「地鉈温泉」ですか!
見ただけで、物凄く熱そうだということが分かります。
泡が凄い。
源泉に近いところだと思いますが、手もつけていられない程の熱さです。
場所を変えてみたのですが、とてもじゃないですが、身体を入れられるような熱さの場所を見つけることができませんでした。
波もザバーンザバーンと打ち寄せてまして、完全に海中温泉です。日本全国の温泉巡りをしている人であれば、絶対に一度は訪れるべき場所です。
もう少し波が高くて、温泉の温度が下がれば良かったのに!
無料で24時間入れますが、夜間の入浴は注意してください。
凄いロケーションだよな〜と思ったら、露天風呂番付の東の張出横綱です。横綱ですって。納得。
式根島温泉 憩いの家
式根島は小さな島ですが、温泉が4つもあります。4つ目が「式根島温泉 憩いの家」です。
これまでの3つは屋外の温泉施設でしたが「式根島温泉 憩いの家」は洗い場もある普通の温泉施設です。
料金は大人(中学生以上)が200円、子供(小学生)が100円、幼児は無料です。タオルは100円、シャンプーの販売はありません。受付時間は10時〜21時(入浴は21時30分まで)、定休日は水曜日です。
待合室です。
こちらが男性の浴室です。ちなみに「地鉈温泉」のお湯を引いているとのことなので、ここでリベンジできました!
洗い場には石鹸があります。
温泉巡りをした最後に立ち寄るのがオススメですね!
ファミリーストアみやとら限定の「たたき丸」
クルマを走らせていて気になった看板があったので、ファミリーストア「みやとら」に立ち寄りました。
こちらでしか買えない限定の「たたき丸」があります。ハムチーズ? あしたば佃煮? くさや? 1丸200円です。
「たたき丸」のマスコットキャラクターまでいる!
他にも「島のり弁」のような気になるメニューもあれば、普通にコンビニのようにドリップコーヒーまであります。
伺ったところによると、お弁当も こちらで作られているそうで、言うなれば島のコンビニなのです。他の島で商店は見ましたが、ここまでコンビニしている店は初めてでした。
ほらほら、ホットコーナーが美味しそうでしょう?
「たたき丸」は式根島の郷土料理である「たたき」(魚のすり身に味付けをした練り製品)で具材を包んだオリジナル料理です。この日は11月29日、いい肉の日だったので、奮発して牛肉ステーキの「たたき丸」を購入してみました。
ほらほら、美味しそうでしょう? 実際に美味しかったんですけどね!
島探検をしていて、小腹が空いたら「たたき丸」がオススメです。
それより何より、ホワイトベルクを売っていたのにも驚いたんですけど。
で、気になっていたこの「島のり弁」です。
翌日、式根島を離れる前のランチに食べてみました。
明日葉の天ぷらや貝の佃煮のように島の食材も使われていますし、何より海苔が本当に美味しかったんです。お土産に海苔を買ったくらい。ツナサンドも大きなキュウリが入っていて美味しかったですよ。
ぐんじ山展望台
「ぐんじ山展望台」は島の人が素晴らしい眺望を発見し、ボランティアで整備した展望台なのだそうです。
道路沿いの広場にクルマを駐め、木々の間を抜けていくと展望台があります。
眼下に広がる磯を見ると、式根島が釣り人に人気の島であることがよく分かります。
泊海水浴場
式根島の海水浴場というと、この「泊海水浴場」を思う人が多いかもしれません。なぜかというと‥‥
こんな風に大々的にポスターに使われているからです。ポスターを眺めているだけでも、素敵な入江だなぁ、と。
ということで、行ってみて、パノラマ撮影したのがこの景色です。いいよねぇ、いいですよねぇ。
手前は波もゆるやかだし、ファミリーが遊ぶには最高の浜辺です。
階段を降りていくと‥‥
静かな「泊海水浴場」はありました。
江戸時代には、三宅島や八丈島へ向かう船が入江で風待ちをしたということです。明治以降も近県の漁船が避難港として利用したことにより、1888年に初の移住者が式根島にありました。
映画に出てくるような、そんな入江でしたよ。
大浦海水浴場と大浦キャンプ場
「大浦海水浴場」はキャンプ場の併設された海水浴場です。砂浜というよりは、磯に近いでしょうか。小さな子供は磯遊びが楽しいでしょう!
「大浦キャンプ場」には、キャンプ場エリアと炊事舎があります。
炊事舎です。
キャンプエリア。
こんな木々の中にテントを張るのは楽しそうです!
中の浦海水浴場
「中の浦海水浴場」は手前の駐車場にクルマを駐め、木々の坂道を下っていくとあります。
手前ではサンゴも見られる、スノーケリングにもってこいの海水浴場だそう。
スノーケリングができるくらいのお子さんなら「中の浦海水浴場」で海の生き物に出会い放題!
奥までいかないように気をつけましょうね。
神引展望台
このあたりは式根島でも最も高いところに位置します。
「神引展望台」へは10分ほど山道を登ります。
といっても、そんなに急な坂道ではありませんのでご安心を。
空気が澄んでいれば、伊豆半島から富士山まで一望することができます。この日はお隣の新島、利島、大島までよく見えましたよ!
そして、ここから見える景色は、なんと東京都のリアス式海岸なのです!
眼下の神引湾は、切り立った80メートル以上の岸壁の下にあります。美しい入江ですよね。
丸山の方角石
「神引展望台」をさらに登ると「丸山の方角石」はあります。
「丸山の方角石」は、1815年に伊能忠敬の測量隊が、伊豆七島測量の際に設置したと言われています(戦争中に軍隊の陣地構築に使われたのでこれはレプリカ)。式根島では一番高いこの山のコーガ石に方位を刻み、測量の効果を上げたと言われているそうです。
一番高いところにあるだけあって、東西南北、全ての方角を見渡すことができます。
足元に「神引展望台」が見えます。
これは新島です。
360度を撮影! パチリ!
温泉と海水浴の式根島紀行
今回は冬の訪問だったので、残念ながら海水浴やスノーケリングはできませんでしたが、美しい入江や海水浴場が式根島にあることが分かりました。磯遊びもできるので、小さいお子さんのいる家庭でも十二分に楽しめる島です。
海で身体が冷えたら、そして冬だったら、これはもう温泉探索です。小さな島なのに、温泉が4つも! しかもワイルドなほぼ海の中に位置するような温泉もあるのですから、良い思い出にもなります。漁師宿に泊まれば食事も美味しい!
船ですぐに渡れるので、新島で1泊、式根島で1泊、これは東京の離島を遊ぶ最高のコースの1つですね。
下記の旅記事もぜひ参考にしてください。
>>【大型船】新島&式根島の行き方・帰り方(2等船室と特2等船室)【高速船】