イブニングで連載が始まった当初は、陽気なパン屋のオジさんの話だったんですよね。日常生活の中で繰り広げられる、オジさんのドタバタギャグマンガなのかな、と。まあ「ちょっと普通だな」とは思いましたよね。連載が進むにつれて「まさかあんなことになるなんて」と思いましたけど。
そもそも「ゲレクシス」というタイトルが謎だもんなぁ。
以下、ネタバレあります。
バウムクーヘン職人・大西たつみは四十路にして初恋に落ちる。だが、その恋の行方は、文字通り迷宮入りに。次々に大西に降りかかる説明不可能な不自然現象。翻弄に次ぐ翻弄で、もはや大西は人とは呼べない存在に。この迷宮から無事に帰還し、再びバウムを焼ける日は戻ってくるのか。イブニング初掲載時から大反響を呼んだ古谷実最新作、いよいよ単行本解禁です!!
ネタバレありつつ「ゲレクシス」の感想
まあ、単行本の表紙からしてアレですよね。なんなんだ、この桃みたいなものは、と。これ、パン屋のオジさんなんですよ。どうしてこうなった‥‥読んでても分からないんですけど‥‥。
どうも、オジさんにだけ見えていた女性というのが、もともとこういう桃みたいなものだったようでして(モウソウと呼ばれるようになる)。それが見え、触ってしまったが故に、オジさんも同じ姿に。そして、もげる首。
さらには最近では仲間まで出てきて、場所を変えてまっくろくろすけみたいなのまで出てきて、さらに謎が謎を呼ぶ展開になっています。
もう、何を言ってるか分からないでしょう???
読んでいても本当に「狂気」という言葉がふさわしい作品だと思います。さんざん、異世界や異次元やありえない世界の話は読んできたと思うのですが、そんな中でも「ゲレクシス」のクレイジーっぷりは突き抜けています。
シラフでこんな話を考えているのだろうか。悪い薬でもやっているんじゃないかとか。とにかく「狂気」です。どんな風に話が転がっていくのか、正直、怖い。毎週、その場で話を考えているんじゃないかと思うような話の転がりっぷり。淡々と進んでいるんですけど。異次元すぎる。
同じオジさんとして、大西たつみに同情しています。