Jobs氏のいないMacworld Expo

Apple不在のMacworld、ジョブズ“精神”は健在?という記事より。

ポーグ氏はパネルディスカッションの冒頭、Appleのスティーブ・ジョブズCEOがいないことを残念がり、黒いタートルネックとブルージーンズを取り出すと、ステージ上で隣の空席に置いた。

Appleが参加していない、ボストンで開催されているMacworld Expoのレポート。元Apple社員のビル・アトキンソン、アンディ・ハーツフェルド、ジェリー・マノック、ジェフ・ラスキン氏らが参加したそうです。

ラスキン氏はMacの父は自分であるとし、

「スティーブがユーザーインタフェースを理解することはなかったが、ボックスは理解していた。ボックスから外に出ることはなかった。Macは狂気じみて素晴らしいものから、狂気じみて醜悪なものになった」

と語ったそうです。ハーツフェルド氏は「スティーブは怖かった。でも信じられないくらい素晴らしかった」とコメント。アトキンソン氏はインターネットの到来を予想できなかったため、HyperCardを見過ごしたことを認めています。

もしAppleがOSをライセンスしていたらどうなっていたか、という質問に対してはハーツフェルド氏は「チャンスはあっただろうが、それではもうAppleでなくなっていただろう。(仮定の話で)どうなっていたかなど、誰にも分からない」とコメントしています。

AppleがiTunesに採用しているFairplay DRMのライセンスに消極的なことも、Mac OSのライセンス問題との比較で話題に上った。Appleはかつて市場で首位に立っていながら、自社のOSが採用されなかったばかりに首位の座を奪われてしまったが、これと同じ過ちは繰り返してほしくないとの意見でパネルディスカッションは締めくくられている。

しかし、AppleがFairplay DRMのライセンスを公開することはないように思います。もし、iTunesがMacだけのものだったら将来的な危険性はあるかもしれませんが、Mac OSの時とは違いWindows版もあります。優れたアプリケーションとハードウェアのコンビネーションは、そう簡単に真似できるものではないでしょう。逆にライセンスをして、コントロールできなくなってしまうことの方が危険ではないかな、と思っています。

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そのなかでパネリストらは、1999年にテレビで放映された映画「Pirates of Silicon Valley」のなかでJobs役を演じた俳優Noah Wyleの演技について、自己中心主義的で支配欲の強い人間として正しく描写されていると評価した。しかし、デザイナーたちはJobsを批判しながらも、控え目ながら同CEOを評価する一面を覗かせた。

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Jobsは次の5年間の間に、PixarとAppleのいずれを経営するかの選択を迫られるだろうが、AppleのほうがよりJobsを必要としている。だから、AppleをJobsが経営し続けることに賭けて、自分はこう予測するのだと。そして最後に、Jobsがいなくってしまえば、Appleは5年もたないと結論づけている。

熱気あふれる『マックワールド・エキスポ』

しかし、来場者全員が満足したわけではない。いくつかの『Photoshop』(フォトショップ)のセッションを受講するために、飛行機に乗ってやって来たプロダクト・デザイナーのウィリアム・カストロ氏は次のように述べている。「ニューヨークでないのが残念だ。昨年の(ニューヨークで開催された)イベントには、マックのメディアに関係する人やメーカーがもっとたくさん来ていた。(今回の)マックワールドに参加したがっていたが、開催地がボストンなのであきらめた多くのデザイナーを知っている」