鳩山由紀夫首相が辞任し、関連記事がいろいろ出てきています。まとめてみました。後任は誰が選ばれるのでしょうか。
「いいよ、もう十分です。ありがとう」。2日、民主党の両院議員総会を終え首相官邸に戻った鳩山由紀夫首相は、エントランスで待ち構えた記者団から心境を問われると、吹っ切れた様子で語り、そのまま執務室へ入った。
民主党の小沢一郎幹事長は2日昼、鳩山由紀夫首相の辞任表明について「任期半ばでこのような事態になり、大変残念だ。首相、党代表を補佐する役目を十分果たし得なかったと反省している」と述べた。
自身の「政治とカネ」問題に触れ「クリーンな政治をつくらなければ政権に好意を持ってもらえないのに、自分も違反を抱えていた。想像だにしなかった」と悔やんだ。その上で「小沢幹事長にも疑念があった」と指摘し「私も引きます、しかし幹事長も恐縮だが、職を引いてほしい」と、同時辞任を求めたことを明らかにした。
約50人の記者を前に「早く次のリーダーを決めなければならない」と強調したが、新代表にふさわしい人物を聞かれると「そういう質問に答える立場にはない」とひと言。担当記者らの顔を見ながら「もう皆さんと会うのも最後だ」と話し、5分ほどで切り上げた。
▼悪いのは小沢氏と労組?気の毒な兄に…邦夫氏「兄弟新党あり得る」
邦夫氏は「小沢一郎民主党幹事長と労組の支配が強烈で辞めさせられた。弟として義憤を感じる」と指摘。「社会主義化した政党と兄は合わない。民主党を割ってもう一回、政界再編しないかと声を懸けたい。兄弟新党もあり得る」などと述べた。
世論調査で10%台まで下落した内閣支持率を「V字回復」させ、劣勢が予想される参院選を乗り切ることが後継の最大の課題。渡部恒三元衆院副議長は先月末、代表経験者の菅、前原、岡田克也外相(56)の各氏を候補者に挙げた。
谷垣氏は「問題を何も解決せず投げ出した。直ちに国民に信を問うべきだ。受けて立つ」と要求。民主党の小沢一郎幹事長の影響力について「小沢支配の継続はあってはならない」と主張した。
日米共同声明などで移設先とされた沖縄県名護市の稲嶺進市長は、出張中の札幌市内で記者団に「(声明で)県民は失望のどん底、怒りの頂点という状況だ。辞任したからそれでいい、物事が済むということではない」と批判。
鍵を握りそうなのは党内最大の150人規模のグループを率いる小沢一郎幹事長。小沢氏は、新政権でも実権を握る考えで後継首相が自身をどう処遇するかが対応を決めることになりそう。小沢氏の扱いをめぐり分裂含みの展開となる可能性もある。
民主党は野党時代、自民党が衆院選を経ないまま首相を安倍晋三、福田康夫、麻生太郎各氏にかえてきたことについて「民意を反映せず政権に正統性がない」と批判してきた。今回はこれを逆手に「政権選択のやり直し」(自民党幹部)となる衆院選を迫る。
首相は5月31日と1日の2回にわたって行われた小沢氏との会談について、「『政治とカネに決別する民主党を取り戻したい。私も退きます、幹事長も職を退いてもらいたい。そのことによって、より新しい、クリーンな民主党をつくりあげることができる』と申し上げた」と語った。首相によると、小沢氏は「わかった」と応じた。
40人前後の菅グループだけで代表選を制するのは不可能。ここに150人前後の小沢グループが「菅氏支援」に回れば、新政権でも小沢氏が党要職で処遇され、実権を持つ可能性もある。
鳩山内閣は近く総辞職。民主党は後継代表を選出する両院議員総会を4日に開催する。その後、国会での首相指名選挙を経て新政権を発足させる方針だ。
両院議員総会ではじっと前を見据え、鳩山首相の言葉に聞き入った。終了直後には、感極まった表情で口を真一文字に結びながら首相と握手を交わし、一足先に会場を後にした。
突然の辞意表明を受け、官邸は慌ただしさを増した。午前10時50分ごろ、首相執務室から出てきた小沢鋭仁環境相は「寂しいよね。残念」とひと言。「首相にご慰労申し上げたが、落ち着いた様子だった。後任のことまでは頭が回らない」とぼうぜんとした様子で話した。
鳩山邦夫元総務相は2日、実兄の鳩山由紀夫首相が米軍普天間飛行場移設問題をめぐる社民党の政権離脱などを受け退陣表明したことについて「この程度のことで辞意表明しないと確信していた。あしき体質に押しつぶされ気の毒だ。かわいそうで仕方ない」と述べた。
2日の鳩山由紀夫首相の辞意表明をAP通信は東京発で速報、米軍普天間飛行場移設問題での「しくじり」により優柔不断なイメージが増幅し、支持率は急落していたと解説した。