浦和レッズ・フィンケ監督、三都主移籍についてコメント

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オフ前 フィンケ監督コメント」として、フィンケ監督がマスコミに向けて、三都主アレサンドロ、アレックスの名古屋グランパス移籍について説明しています。

そして残念ながら、メディアの報道では、浦和レッズというクラブが、アレックスという一人の選手を冷遇視していたというように書かれていましたが、そのような事実は一切ないと思います。そしてもちろん、彼がこのクラブに残って、今後の試合に出場するかもしれないという可能性は残っていますが、私たちは実際には違う決断をしたわけですし、彼の今までの待遇などを考えましても、彼に対して非常に冷たく当たったということはありません。

個人的にも、結果的には残念ながらアレックスはコンディションが上がらなかったのだな、と思っています。

「実際に4月4日の復帰戦の後も、彼は何度か試合に出ていたわけですが、何度もケガをしてしまったというのも事実だと思います」として、それを「冷遇視していた」と、不公平な書かれ方をしていたとフィンケ監督。

読めば納得できるのですが、各スポーツ新聞を見ると、それぞれの視点で違った伝えられ方をしています。

浦和フィンケ監督「悪く書かないでくれ」

現在、勝ち点34の4位。14試合を残して首位鹿島とは10差、離されている。優勝をあきらめたような発言は就任後初めてで、確かに数字的には厳しい。ただ、シーズンはまだ3分の1以上残っている。新たな火種にならなければいいが。

内部分裂…フィンケ監督 「闘莉王発言」に反論

発端は3日の闘莉王の発言。闘将は「レッズは常に優勝しないといけない。(育成型の)スタイルづくりもいいけど、若手が成長するまで3年も待てない」と若手を重用する一方で経験豊富な三都主を放出したクラブに疑問を投げかけた。フィンケ監督はこれに反論したのだが、内容は“逆ギレ”に近いものだった。

浦和・フィンケ監督が“白旗”宣言

4連敗でリーグ4位に転落したJ1浦和のフォルカー・フィンケ監督(61)が5日、今季優勝への事実上の“白旗宣言”を口にした。

どれもセンセーショナルな書き方をしていますが、果たして得をするのは誰なのでしょうか。と、ふと思ってしまいます。

私は正直なところ、あのようなプレースタイルを持つサッカー選手がとても好きです。だからこそ私はアレックスと今後もぜひ一緒に仕事をしていきたいと思っていました。しかし、現時点でクラブに契約延長を勧めるということはできなかったわけです。なぜかというと、ここ数年間のケガということもありましたし、正直なところここ2年間、アレックスはこの浦和レッズの選手として、そう多くはピッチに立っていなかったのではないでしょうか。このような現実を考えると、今すぐ契約延長をするよりは、やはりあと数ヵ月間様子を見るというのが正しい判断だと思います。なぜかと言えば、私はクラブに対しての、そしてチームに対しての責任があるからです。

実績のある選手ですけど、むしろこうした冷静な判断がなかったのがこれまでの浦和レッズだったと思います。

本当ならば普通私はこのようなことはお話ししないのですが、今回の話はアレックス本人も分かっていることですのでお話をします。実際にグランパスが最初に出してきたオファーは、契約期間6ヵ月でした。そしてこの6ヵ月間のオファーを私は断りました。なぜかというと、彼がだんだん体調を整えてきて、実際に彼が復帰してくるのを私たちは待ちたかったからです。
しかし、その後、グランパスサイドが18ヵ月間というオファーを提示してきたので、私たちは最終的には、彼が移籍することを了承したわけです。

そして、あくまでも浦和レッズの契約よりも、名古屋グランパスの契約の方が良い契約であった、と。

そもそも今シーズンの契約すら危ぶまれていたアレックスが、このまま浦和レッズに残ったとして、来シーズンも契約があるという確約はなかった訳です。退団したとして、今以上に良い契約があったかも分かりません。

そしてアレックスの場合は約2年半にわたって、何度もケガをしていた、そして現時点でも毎日の練習からさまざまな情報を得ることができたわけですが、とても体調面で優れているわけではなかったのです。そして私たちは2週間おきにさまざまなスプリントテストを行なって、瞬発力を調べていますが、そこでも残念ながら彼にはいい結果を見ることができませんでした。そのような総合的なすべての情報を総合して、クラブに対して、『今すぐこの選手に12ヵ月間の契約延長をするべきです』ということを、私は言うことができませんでした。クラブに対して、責任を持って推薦することはできませんでした。

「そしてこのような状況で、グランパスが18ヵ月間というオファーを出してきたので、私は彼を放出するということを認めなくてはいけませんでしたし、それをリスペクトしなくてはいけなかったと思います」とフィンケ監督。

彼のように素晴らしい、浦和レッズのためにも日本代表のためにも素晴らしい実績を残してきた選手に対して、強制的に残すという決断を下すべきだったのでしょうか。私は、そうは思いません。家族を養わなければいけないという彼の状況を考えれば、今すぐ追加で12ヵ月間のお金を稼げるというグランパスのオファーがあった時点で、私は彼を放出するという決断をしなければいけなかったと思います。

こうしたことは、なかなかスポーツ新聞では報じてくれないものです。

厳しいことかもしれませんが、Jリーグが1993年にできてからレッズが優勝するまで13年間かかったわけです。そして、Jリーグができてから現在まで、レッズが優勝した回数は1回です。それなのになぜ、このチームが毎回毎回優勝しなくてはいけないと言われるのですか。私たちは今、ちょうど世代交代をしています。それは、年上の選手たちを追い出すために年下の選手を入れているわけでは一切ありません。このチームの将来のことを考えて、年下の選手を徐々に入れているわけです。世代交代というのは、どのチームもいつか必ずやらなければならないことです。

これも全くおっしゃる通りだと思います。三連敗、四連敗くらいでは、全く動じませんよ。それに、今シーズンは優勝を目指したとしても、優勝しなくてはならない、というシーズンでもありません。

そして同時に皆さんにも理解していただきたいのですが、事実ではないことが書かれたときには、私からも説明をしたいという気持ちがあること、そしてそのことを皆さんも建設的に受け止めてほしいです。攻撃ではないということを。私は日本でのこの生活を非常に満喫していますし、短い期間で大金を稼いでこの国を去ろうとは一切考えていません。これが事実です

今シーズンはオフィシャルサイトで、きっちり読めるので本当にありがたいです。スポーツ新聞だけ読んでいたら「何が起こっているの!?」となってしまいますから。