これは1点や2点の失点では済まないな、と思っていたら案の定というか、予想を遥かに上回る6失点を喫し、最終節に1-6という屈辱的なスコアでシーズンを締めくくった浦和レッズなのでした。
1トップに高崎を起用するという“奇策”に出るものの、いきなりの起用では高崎本人もかわいそうというものでしょう。シーズンを通して使われていれば、また違ったのでしょうが。
交代枠を一つ余らせるも、ベンチで硬直した表情のゲルトは最後の最後まで動くことができずにいました。ある意味では、いつもと変わらずといったところ。
選手たちも心が折れているのは明らかでしたが、それにしても足が動かないのはシーズンを通してこちらも変わらず。残念ながら負けるべくして負けた、これが浦和レッズの今の実力ということです。
補強した高原、エジミウソン、梅崎の活躍も見られず、中断期間の補強にも失敗した訳ですが、最終的に何がいけなかったのか、どこに責任があったのかは、きちんと見極めて来シーズンに進むべきでしょう。
既に来シーズンの監督にフィンケの基本合意が発表され、さらにチームダイレクターに信藤氏が就任することも発表されている訳ですが。
試合後のセレモニーの時、藤口社長が挨拶をしたのですが、終始ブーイングでその声はかき消されました。5万人以上の大ブーイングが数分に渡って続くのは初めてみましたが、どのサポーターも思いは同じだったのかもしれません。
併せて、岡野雅行、内館秀樹という、浦和レッズの浮き沈みを経験しているベテラン選手の契約終了に伴う挨拶も行われ、涙に暮れる埼玉スタジアムとなったのでした。
チームに発信して動き始めて、スポンジのように受け入れてくれればうまくいくでしょう。その間に長年の悪い習慣や、そうはできないような悪いヒエラルキーがあったら拒絶反応を起こされて時間がかかるかもしれません。でもベストを尽くしていこうと思いますし、大きく変革のスピードが上がるために僕はトライをしたいです
いろいろとぶっ壊しちゃって下さい。
来シーズンはACLの出場権もなくなったので、チームの土台を一から作り直すにはちょうど良いでしょう。
※浦和レッズ(2008最終節) – a set on Flickrにその他の写真含めてアップロードしてあります。
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リーグ7位は最近5年間で最低順位となる。主将のMF山田暢は「ピッチで選手が迷っている部分があった」と言えば、MFポンテは「いろいろな問題が起きたことが今日の試合で出た」と責任を痛感。さらに「(クラブ)トップからレッズにかかわるすべての人が同じ方向性を持たないと。来季は何人かの補強をしてほしい」と懇願した。
ある主力は「みんなバラバラ。崩壊する典型的な試合。今季は出られないとき、中途半端に腐る選手がいたり、良いときのレッズではなかった。テングになっていたのかも」と漏らした。
藤口光紀社長の今季終了時のあいさつは埼玉スタジアム史上最大のブーイングでかき消された。「改革を進めることが責任」と試合後の会見で必死に留任を表明したが、浦和凋落(ちょうらく)を導いたオジェック、エンゲルス体制を選択した重大責任から、サポーターは「やめろ!」と絶叫。
MF平川は「選手がそれぞれ違う方向を向いてサッカーをしてしまった」とうなだれた。
スタンドからの「WE ARE REDS」の声援を耳にして泣いた岡野は「あのコールでいろいろな思いが出てきた。本当に感謝の一言」と感慨深げだった。
大ブーイングを浴びた藤口社長のあいさつの直後だったが「“約12、13年”みんなと戦えたことが誇り。今後もサッカーを続けるつもり。でもチームが見つからなかったら力(浦和の居酒屋)でアルバイトさせて下さい」と語り、雰囲気を一掃した。
フィンケ氏は1991年から16年にわたって小クラブのフライブルクを率いた。ドイツでは異色の短いパスをつなぐサッカーで3度、1部昇格を達成した。
「なぜチームが機能しなかったのか、クラブがサポートできなかったのかを検証したい」と、サポーターに謝罪した。前日のような容赦ないブーイングこそ起きなかったが、集まった約1400人の会員からはパラパラと寂しい拍手が起きただけだった。