紅白に出場するらしいという話を小耳にはさみ、改めて「青春映画が好きだった」を聴いてみました。
1度目に聴いたとき、正直なところピンときませんでした。良いんだけど、ものすごく良い訳ではない。
「これだ!」という感じが見当たらないのです。
彼は一度、メジャーデビューするも、契約が切れどん底を味わい、そして這い上がってきたことで話題になりました。
ぼくが初めて見たのも「40歳にして野音ライブを!」というワイドショーで取り上げられた時でした。
そういうバックボーンを知りながら、ひとつひとつ歌詞を追っていくと深い。良い曲もある。でも、なんとなく突き抜けていない気がしてしまったのです。
1曲目「君はレースの途中のランナー」の、
数えきれない夢から覚めた世代の歌がない
泣ける映画やドラマじゃもう随分泣いていない
バブルの頃に大学生だった彼や彼女たち
時の流れに押し出されて今みんなしがらみの中
といった歌詞などに、共感を覚える人が多いのかもしれません。
あがいてあがいて、気づいてみたらひとりぼっちだった、みたいな。
ぼくももう「泣ける映画やドラマ」じゃ泣けなくなりました。生きることの方が、悲しく切ないことが多いから。
そう考えると決して主張することはないけれど、聴く人のそばに寄り添うような楽曲なのかもしれませんが。
しかしAmazonのカスタマーレビューには、
馬場氏の8月のライブで号泣しまくってしまった僕。だからこそ、正直、非常に落胆しています。フツーのJ-POPになってしまったことを
という感想もあるのです。
昔は良かったというつもりもないと思いますが、ぼくも感じることができなかった「突き抜け感」のなさを感じている人は、意外に多いのかもしれません。
聴き込むと、また見え方が違ってくるかもしれませんが。